
更新日: 2025.10.29
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FXを始めようか迷っている方の多くは「やめたほうがいい」「9割が負ける」など、ネガティブな意見を一度は耳にしたことがあるでしょう。
FXは少額でも大きなリターンを狙える魅力がありますが、反対に一瞬で資産を失うリスクもあります。レバレッジやロスカットの仕組みにより、暴落時に大きな損失が生まれた結果、「FXは危険性が高い」と感じる方も少なくありません。
そこで本記事では、FXはやめとけと言われる理由や危険性について徹底解説します。FXは正しいやり方で始めれば初心者でも勝てる可能性があるため、危険性やリスクについて理解した上でコツコツ資産を増やしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
FXは、少額でも大きなリターンを見込めることに加えて、平日は原則24時間いつでも取引可能です。しかし「FXはやめたほうがいい」「9割が負ける」など否定的な意見も少なくありません。
ここでは「FXはやめとけ」と言われる理由について詳しく解説するので、実際にトレードしてみようか迷っている方は事前に確認しておきましょう。

FXは株式や投資信託などの資産運用とは異なり、ゼロサムゲームの性質を持ちます。
Q、ゼロサムゲームとは?
A、トレーダー全員の利益と損失を合計すると、常にゼロになる状況です。

そのため、市場全体で見るとトレーダー全員がFXで勝つことはありえません。
FXは、機関投資家やプロトレーダーも取引に参加しているため、個人投資家が負ける確率はどうしても高くなってしまいます。
特にトレード経験が少ない初心者の場合、数多くの中〜上級者が参加している市場で勝つことは難しいでしょう。
FXがゼロサムゲームの性質をもつ以上、努力したからといって必ず勝てるわけではないと理解しておく必要があります。
FXには「レバレッジ」と呼ばれる仕組みがあり、少額でも大きなリターンを狙える魅力があります。
Q、レバレッジとは?
A、FX口座に預け入れた資金(証拠金)よりも大きな金額として運用できる仕組みです。国内FX会社では、最大25倍のレバレッジで取引できます。
たとえば米ドル/円が「1ドル=150円」の場合、1,000通貨を取引するために必要な資金は15万円ですが、レバレッジ15倍で取引すれば証拠金を1万円に抑えることが可能です。

ただし、レバレッジ倍率が高くなるほど損失時の金額も大きくなるので注意しましょう。
FXの利益・損失は「値幅(pips)×取引数量」で決まるため、レバレッジをかけて取引数量を増やすと、わずかな値動きでも一瞬で大きな損失を被る危険性があります。
特に初心者の場合はレバレッジなし、もしくは2〜5倍程度を目安に取引するよう心がけることが大切です。
以下ではレバレッジ倍率ごとに発生する利益額・損失額のイメージをまとめているので、適切なレバレッジ倍率で取引するための参考にしてください。
レバレッジ倍率 | 取引数量 | 10円の値上がり | 10円の値下がり |
|---|---|---|---|
1倍 | 1,000通貨 | +10,000円 | -10,000円 |
5倍 | 5,000通貨 | +50,000円 | -50,000円 |
10倍 | 10,000通貨 | +100,000円 | -100,000円 |
15倍 | 15,000通貨 | +150,000円 | -150,000円 |
20倍 | 20,000通貨 | +200,000円 | -200,000円 |
25倍 | 25,000通貨 | +250,000円 | -250,000円 |
※買いでエントリーした場合
FXには強制ロスカットのリスクがあり、相場の急変によってポジションが自動的に決済されてしまう可能性があります。
Q、強制ロスカットとは?
A、証拠金維持率が一定の水準を下回ると、FX会社が自動的にポジションを決済して損失拡大を防ぐ仕組みです。
なお、国内FX会社の多くが強制ロスカットの発動条件を「証拠金維持率が50%を下回った場合」と設定しています。

証拠金維持率は「有効証拠金÷必要証拠金×100」の計算式で算出することが可能です。
たとえば、米ドル/円(1ドル=100円)を1万通貨保有する際の必要証拠金は100万円。以下ではレバレッジあり・なしで、1円の値動きにより1万円の損失が生まれた場合の証拠金維持率を計算しています。
【レバレッジなし】
有効証拠金:100万円-1万円=99万円
証拠金維持率:99万円÷100万円×100=99%
【レバレッジ25倍】
有効証拠金:4万円-1万円=3万円
証拠金維持率:3万円÷100万円×100=3%
レバレッジなしの場合は1円の値動きが発生し、1万円の損失が生まれたとしても「99万円÷100万円×100=99%」なので、強制ロスカットが発動することはほとんどありません。
一方、レバレッジ25倍で米ドル/円(1ドル=100円)を1万通貨保有する際の必要証拠金は「100万円÷25=4万円」と非常に少額ですが、たった1円の値動きでも強制ロスカットが発動します。
1円の値動きが発生し、1万円の損失が生まれた場合、証拠金維持率は「3万円÷100万円×100=3%」となり、自動的にポジションが決済される水準です。
このように高レバレッジで取引してしまうと、わずかな値動きでもマイナスが自動的に確定することから、FXに対して「危険性が高い」といった印象を持つ方は多く存在します。
FX業界では、詐欺的な自動売買ツールや情報商材が蔓延っています。
そのため「放置するだけで自動的に利益を獲得」「勝率90%のロジックを公開中」といった広告を見かけたことがある方もいるでしょう。

FXで絶対に稼げる仕組みは存在しません。たとえ一時的に勝てたとしても、相場状況により損失を抱えてしまうケースが一般的です。
また、海外FX会社を利用した方によるトラブルの報告も後を絶ちません。
「100倍・1,000倍のレバレッジ」や「ゼロカットシステム」など、国内FX会社にはない魅力を宣伝している業者が数多く存在しますが、違法業者の可能性が高いので注意しましょう。
金融商品取引法に基づく登録を受けていない海外所在業者が、インターネットに日本語ホームページを開設する等により、外国為替証拠金取引(FX取引)や有価証券投資等の勧誘を行っている例が見受けられます。
また最近、海外所在の無登録業者とバイナリーオプション取引を行い、出金に応じてもらえないなどのトラブルになっている例も見られます。
FXは、基本的に平日は24時間いつでも取引できます。そのため「日中は仕事・家事で忙しい」といった方でも取引しやすいですが、24時間相場が動いていることにストレスを感じる可能性もあるので注意しましょう。

「ポジションを保有している間は、24時間気が休まらない」と感じる人も少なくないため、FXは失っても問題がない資金で取引することが重要です。
生活に支障が出るレベルの資金でトレードしてしまうと、常に損益が気になってしまい、ストレスによる精神的な負担が大きくなります。
また、スキャルピング・デイトレードなどの手法で「チャートを見れない時間帯はポジションを持たない」といった対策も有効なので、日常生活に支障が出ないようトレードを行いましょう。
FXは勝てないからといってすぐに退場してしまう人が多く、「やめとけばよかった」といった印象を持たれがちです。
実際、金融先物取引協会のデータによると、店頭FXの口座数に対して実際の稼働率は約6〜7%だと発表されており、口座開設したものの途中で退場してしまった人が全体の90%以上だとわかります。
年月 | 顧客口座数 | 取引実績口座数 | 稼働率 |
|---|---|---|---|
2025年 | 11,818,046 | 743,216 | 約6% |
2024年 | 12,015,956 | 753,398 | 約6% |
2024年 | 11,615,329 | 851,941 | 約7% |
2024年 | 11,766,586 | 865,539 | 約7% |
2024年 | 11,911,222 | 763,655 | 約6% |
※引用:四半期統計データ(Quarterly data) | 一般社団法人 金融先物取引業協会
FXをやめたほうがいいと考えられる人の特徴は以下のとおりです。
FXをやめたほうがいい人の特徴
短期間で一気に稼ごうとする人
生活費や借金を元手にトレードする人
感情的にトレードしてしまう人
FXはレバレッジによって短期間でも大きなリターンを見込める特徴をもちますが、長期目線でコツコツ稼ぎ続けることが重要です。
数日〜数週間で大きな利益を狙うためには、「大きな資金を運用する」または「高レバレッジで取引する」必要があるので、一気に資産を失う危険性があります。

FXは余剰資金の範囲で行いましょう。生活費や借金を元手にトレードするのは絶対にNGです。
また、感情的にトレードしてしまう人もFXをやめたほうがいいと考えられます。
わずかな損失が出たときに「もう少し待てば損失がなくなるかもしれない」と感情的にトレードした結果、含み損がどんどん大きくなるケースが多くみられるため注意が必要です。
反対に利益が出た途端に焦ってすぐに決済してしまう人も、FXとの相性が悪いと考えられます。
一方、FXと相性がいいと考えられる人の特徴は以下のとおりです。
FXと相性がいい人の特徴
コツコツ努力できる人
損小利大を徹底できる人
FXで成功しているトレーダーの多くは、地道な検証と改善を常に行っています。
日々のトレード結果をノートに記録して分析しながら、本やセミナーで常に学ぶ姿勢を持ち続けている人がFXで安定的に利益を得ている人の特徴です。

また、トレードに対して「損小利大」を徹底できる人もFXに向いていると考えられます。
FXで重要なのは、勝率よりも「損失額の小ささ」です。どんなに優秀なトレーダーでも100%勝ち続けることは不可能なので、損失額よりも利益額が上回るようにトレードする必要があります。
損切り・利確ルールを明確に設定し、機械的にトレードできる人であればFXと相性がよく、長期的に利益を出せる可能性が高いでしょう。
FXには「少額でも取り組みやすい」といった魅力がありますが、危険性について正しく理解していないと大きな損失につながるリスクがあります。
ここでは、初心者向けにFXの危険性・リスクを詳しく解説しているので、FXで大きな失敗を避けたい方はぜひ参考にしてみてください。

FXにおける最大の危険性とも言えるのが、為替相場の急変・暴落リスクです。
法定通貨の値動きにより利益・損失が生まれる仕組みなので、為替レートが予想と反する方向へ動くと一気に資産を減らしてしまう可能性があります。

為替レートは経済指標の発表や各国の金融政策、地政学リスク(戦争、テロなど)に大きな影響を受けます。
そのため、取引する通貨ペアの値動きと関連性の高いニュースを入手できる環境を整えておかなければなりません。
具体的には「情報サービスに強いFX会社を利用する」「要人のSNSをフォローする」といった対策がおすすめです。
また、為替相場を予想することは非常に難しいため「余剰資金の範囲でトレードし、レバレッジを抑えてポジションを持ち越さない」のように、リスク管理を徹底することも重要だと言えます。
FXには元本保証が一切なく、預け入れた証拠金以上に損失が生まれるリスクがあります。

相場が短期間で大きく動いたタイミングや、土日を跨ぐポジションを抱えているときに起こりやすいリスクです。
なお、預け入れた証拠金以上の損失(追証)が発生した場合、マイナス分をFX会社に入金しなければなりません。
もちろん、証拠金維持率が一定の水準を下回ると、顧客資産の保護を目的とした「強制ロスカット」が発動しますが、決済のタイミングが遅れるケースもあるので注意しましょう。
FXに興味がある人の中には、通貨ペアの金利差によって発生する「スワップポイント」狙いの人もいるでしょう。
しかし、スワップポイントの仕組みを正しく理解していないと、金利変動により損失を抱えてしまうリスクがあります。
Q、スワップポイントとは?
A、通貨ペアの金利差によって毎日発生する損益のことです。
たとえば、米ドルの金利が10%で日本円の金利が5%だった場合、高金利な米ドルを買い、低金利な日本円を売るポジションを持っている間は毎日スワップポイントが得られます。

一方、金利変動により米ドルの金利が5%で日本円の金利が10%になると、金利差分の5%を毎日支払わなければなりません。
そのため、コツコツ稼げるスワップポイント狙いだからといって、完全にほったらかしで運用するのは非常に危険です。
チャートに張り付く必要はありませんが、ポジションを保有している通貨に関連する情報は常に入手するよう心がけましょう。
FXに対して「やめたほうがいい」「危険性が高い」など、ネガティブな印象を持つ人もいますが、正しい知識を身につければ安全に稼ぐことが可能です。
ここではこれからFXを始める初心者に向けて、安全に稼ぐための具体的なコツを紹介するので、大きな失敗を避けたい方はぜひ参考にしてみてください。

実際トレードする前に、必ずFXの基本を押さえましょう。
FXには独自の仕組みや専門用語が多くあるため、事前に本や動画、WEBコンテンツなどで勉強する必要があります。

基本的な仕組みや専門用語を学習せずにトレードしてしまうと、大きな失敗につながる可能性が高いので注意が必要です。
初心者の方は、以下のFXの基礎知識だけでも最低限押さえておきましょう。
レバレッジ
└預け入れた資金よりも大きな金額を動かす仕組み
スプレッド
└通貨ペアの売値・買値の差額。FXの実質的な取引コスト
ロスカット
└証拠金維持率が一定水準を下回るとポジションが決済される仕組み
スリッページ
└注文価格と約定価格にズレが生じること
スワップポイント
└通貨の金利差によって発生する損益
トレードを始める前に、損切り・利確のルールを作成することも安全に取引するために重要なポイントです。
「利益が出たからすぐに確定しよう」「もう少し待てば損失は減るはず」など、感情的にトレードしてしまう方が多くいますが、このようなやり方は資金を減らす最大の原因だと言えます。

FXで着実に資産を増やすためには、損切り・利確のルールを徹底することが大切です。
たとえばデイトレードの手法で、損切り幅を「5pips」利確幅を「10pips」に設定して機械的にトレードし続けた場合、1ヶ月に20回トレードして勝った日・負けた日がそれぞれ10日ずつであっても、トータルで50pips分の利益を得られます。
勝った日
└10pips×10日=+100pips
負けた日
└5pips×10日=-50pips
このように、利確幅が損切り幅を上回るように取引ルールを設定するとトータルで勝てる可能性が高まるので、損切り・利確ルールを作成する際の参考にしてみてください。
初めてFXに挑戦する際は少額でのリアルトレード、もしくはデモトレードで取引の練習をしましょう。1万円以内の資金や仮想資金を使って練習することで、安全にFXの取引経験を積めます。
以下では、少額取引とデモトレードに対応するFX会社を紹介しているので、リスクをおさえながらFXのスキルを高めていきたい方は、ぜひ口座開設を検討してみてください。
少額取引におすすめ |
|
|---|---|
デモトレードにおすすめ |
|
FXで安全に稼ぐためには、適切なレバレッジに調整することが大切です。
高すぎるレバレッジ倍率で取引すると大きなリターンを狙えますが、反対に損失も大きくなり、強制ロスカットの危険性が高まるので注意しましょう。
特に初心者の方はレバレッジなし、または2〜5倍程度の低レバレッジで取引し、段階的にレバレッジ倍率を上げていくのがおすすめです。
Q、FXはなぜ負ける?
A、FXで負ける代表的な理由として「テクニカル分析の未熟さ」や「感情的なトレード」などが挙げられます。当然ですが、相場予想の精度が悪いと勝てる可能性は非常に低く、感情的にトレードを繰り返す人は負けやすい傾向にあるため注意しましょう。
Q、FXはやればやるほど負けるって本当?
A、「FXをやればやるほど負ける」と言われる理由は、損失を取り返すためにギャンブル的なトレードを繰り返してしまうためです。また、1取引ごとに支払うスプレッドが積み重なることも、取引回数が多くなるほどマイナスが増える原因の一つだと言えます。
Q、FXで負ける仕組みは?
A、FXで負ける仕組みは「通貨ペアの価格変動による為替差損」と「マイナススワップ」の2種類です。為替レートが狙った方向と反対に動けば損失が発生し、高金利な通貨を売って低金利な通貨を買うポジションを保有すると、スワップポイントを支払う必要があります。
ここまで「FXはやめとけ」「危険性が高い」などと言われる理由について解説してきました。
FXは少額でも始められる人気の資産運用ですが、間違ったやり方で取引してしまうと大きな損失が生まれるリスクがあります。
ただ、取引のしかた次第では初心者でも安全に稼ぐことが可能なので、本記事で紹介したコツを参考にしながら、長期目線で着実に資産を増やしていくと良いでしょう。