更新日: 2025.10.22
FXの取引コストを少しでもおさえたい方は、スプレッドの仕組みと比較方法を理解しておくことが大切です。
スプレッドとは、簡単に言うとFX取引の際に発生する取引手数料に近いものです。売値(Bid)と買値(Ask)の差額で、FX会社ごとに数値が異なります。取引のたびに発生する実質的な手数料であり、わずかな差が積み重なると年間で大きなコスト差になるので注意が必要。
そのため、特に初心者の方は「スプレッドが狭いFX会社はどこ?」「スプレッドによる取引コストの計算方法を知りたい」などの疑問を抱えている方は多いでしょう。
そこで本記事では、スプレッドの基本だけでなく、発生する理由や取引コストの計算方法などについて初心者向けに分かりやすくまとめています。また、主要FX会社のスプレッド比較ランキングも紹介しているので、取引コストをおさえて取引したい方はぜひ参考にしてみてください。
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| カード | ![]() SBI FXトレード 注釈について ※1: 1~1,000,000:0.18銭 1,000,001~3,000,000:0.38銭 3,000,001~5,000,000:0.68銭 5,000,001~10,000,000:1.18銭 引用元: スワップポイント: 2025/9/10のデータより | ![]() GMOクリック証券FX 注釈について ※1: 午前9時〜翌午前3時の場合。午前9時〜翌午前3時以外の時間帯は3.8銭 ※2: ハンガリーフォリント/円・南アフリカランド/円・メキシコペソ/円は10,000 ※3: 2025年 オリコン顧客満足度®調査 FX スワップポイントランキング 第1位 ※4: 株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイド調べ ※5: 土日祝日・年末年始の申し込みや申し込む時間帯、審査状況等によっては最短日数よりも時間を要します。 スワップポイント: 2025/9/8のデータより 引用元: | |||
|---|---|---|---|---|---|
| スプレッド | 0.18銭 ※1 | 0.15銭 ※1 | 変動制 | 0.2銭 ※1 | 0.2銭 ※1 |
| 最小単位 | 1通貨 | 1,000通貨 | 1,000通貨 | 1,000通貨 ※2 | 1,000通貨 |
| 通貨ペア数 | 34通貨ペア | 51通貨ペア | 28通貨ペア | 通常通貨ペア:21通貨ペア ミニ通貨ペア:4通貨ペア ラージ通貨ペア:4通貨ペア | 24通貨ペア |
| デモトレード | × | ○ | ○ | ○ | ○ |
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FXで取引をするうえで、スプレッドの狭さは利益を左右する重要なポイントです。スプレッドがわずかに違うだけでも、1日に何回もトレードをする人ほどコストの差が大きくなります。
まずは主要通貨ペア(米ドル/円、ユーロ/円、英ポンド/円、豪ドル/円、ユーロ/米ドル)で国内主要FX会社10社のスプレッドを徹底比較しました。
>>右にスクロールできます
FX会社 | 米ドル/円 | ユーロ/円 | 英ポンド/円 | 豪ドル/円 | ユーロ/米ドル |
|---|---|---|---|---|---|
0.15銭 | 0.4銭 | 0.9銭 | 0.5銭 | 0.3pips | |
0.18銭 | 0.38銭 | 0.88銭 | 0.48銭 | 0.3pips | |
0.2銭 | 0.4銭 | 0.9銭 | 0.5銭 | 0.3pips | |
0.2銭 | 0.4銭 | 0.9銭 | 0.5銭 | 0.3pips | |
0.18銭 | 0.38銭 | 0.88銭 | 0.48銭 | 0.28pips | |
0.2銭 | 0.4銭 | 0.9銭 | 0.5銭 | 0.3pips | |
0.2銭 | 0.4銭 | 0.9銭 | 0.5銭 | 0.3pips | |
0.2銭 | 0.4銭 | 0.9銭 | 0.5銭 | 0.3pips | |
0.2銭 | 0.4銭 | 0.6銭 | 0.4銭 | 0.3pips | |
0.2銭 | 0.4銭 | 0.7銭 | 0.5銭 | 0.3pips |
※スプレッド調査日:2025年10月22日
※スプレッドは原則固定(一部例外あり)
※調査方法:公式サイトのスプレッド一覧表を調査
FXを始めるとき、まず覚えておきたいのが「スプレッド」という言葉。なんとなく「手数料みたいなもの」と思われがちですが、実はFXで利益を出すうえでとても重要なコストです。
ここでは、スプレッドの基本から仕組み、注意点までを初心者にもわかりやすく説明していきます。

FXのスプレッドとは、通貨を売買する際の「買値(Ask)」と「売値(Bid)」の価格差を指します。
FX会社の多くは取引手数料を無料にしているため、このスプレッドが実質的な取引コストです。買値と売値の価格差が狭いほど取引コストをおさえられるので、多くのトレーダーがFX会社のスプレッドに注目しています。
ここではスプレッドの計算方法や、FX取引においての重要性を確認しましょう!
スプレッドは「買値(Ask)」と「売値(Bid)」の価格差なので、以下の表のように買値が150.002円、売値が150.000円の場合は、スプレッド(価格差)が0.2銭(0.002円)となります。
買値 | 150.002円 |
|---|---|
売値 | 150.000円 |
スプレッド(価格差) | 0.2銭(0.002円) |
このようにスプレッドは、「0.2銭(0.002円)」というように表記されますが、初心者の方はこれでは実際にどれくらい取引コストがかかるのか把握するのは難しいですよね。
実際にかかる取引コストは、「取引量×スプレッド」で計算することができます。
例1:スプレッドが0.2銭の場合
取引通貨量:10万通貨(1ロット)
0.2銭=0.002円
→0.002円 × 100,000通貨 = 200円
つまり、1回の取引をするたびに200円のコストが発生します。
例2:スプレッドが0.1銭の場合
取引通貨量:10万通貨(1ロット)
0.1銭=0.001円
→0.001円 × 100,000通貨 = 100円
つまり、1回の取引をするたびに100円のコストが発生します。
たった「0.1銭」の違いでも、1日10回取引すれば 1,000円の差、1ヶ月続けると 2〜3万円の差になります。

スキャルピングやデイトレードのように取引回数が多い人ほど、この差は無視できないでしょう。
なお、スプレッドは1回の取引で支払う取引コストなので、取引回数や注文通貨量が多くなるほど、スプレッドによる取引コストは増えていきます。
そのため、自身が売買する通貨ペアのスプレッドが狭いFX口座を選ぶことで、トータルコストを抑えられるのです。

FXの1回あたりの売買で支払う取引コストは、「スプレッド×注文通貨量」で計算できることを覚えておくのじゃ!FX会社にもよるが、最低でも1,000単位での取引となることが多いぞ。
一般的に円を外貨へ交換する場合にTTS(対顧客電信売相場)のレートが適用され、外貨を円に交換する場合にTTB(対顧客電信買相場)のレートが適用されますが、FXでも円を外貨に換金するときと、外貨を円に換金するときのレートが違います。このレートの差をスプレッドといい、FX会社によってその幅が若干異なります。
取引額が大きい場合や、取引を繰り返す場合にこの幅が大きいとコストが増えてくるので、出来ればスプレッド幅の狭いFX会社を選びたいですね。
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FX会社は、銀行などの金融機関(インターバンク市場)から為替レートを受け取り、そのレートにわずかな上乗せ(マージン)をしてユーザーに提示します。この「上乗せ分」がスプレッドです。
つまり、FX会社は基本的に取引手数料を無料にする代わりに、スプレッドにより利益を得ています。

口座開設・維持や入出金などに費用を設けない代わりに、スプレッドで運営費用を賄っているのです。
また、カバー取引で利益を得るためにもスプレッドは存在します。
Q、カバー取引とは?
A、顧客から注文を受けた際に、FX会社が別の金融機関に同じ注文を行う取引のことです。

たとえば、顧客から米ドル/円の買い注文を受けた際、FX会社は別の金融機関に同じ通貨量の買い注文を行います。顧客からの注文レートが150.001円で、カバー取引の注文レートが150.000円の場合、この0.001円の差額がFX会社の収益となるためです。
なお、カバー取引はFX会社の売買リスクを避ける目的でも行われています。顧客に発生した値上がり益はFX会社が支払うものなので、あらかじめ別の金融機関にカバー取引を行い、顧客への支払いを相殺する仕組みです。
金融庁の公式サイトによると、このカバー取引では未カバーポジションを極力持たないことや、約定とカバー注文の時間差による急変リスクに備えて、常時モニタリングやリスク管理態勢の整備が必要だとしています。

また、カバー先の金融機関やシステム障害時にも対応できる体制を求めており、金融庁はこうした点に十分注意するよう業界に呼びかけているぞ!
一般的に円貨と外貨の交換時には、手数料を上乗せ若しくは引いた分のTTSやTTBという為替レートが適用されます。金融機関はこの差が為替手数料という収益になります。FX会社の取引では、外貨と円貨の売買時に手数料を取らないところがほとんどです。その代わりに、スプレッドの差額がFX会社の収益になります。
FX取引においては手数料という言い方はしていませんが、実質的な手数料にあたるのです。FX会社の収益になるとはいえ、取引を行う側とすればコストは少ない方がいいですね。
多くのFX会社では「原則固定スプレッド」と表示されていますが、相場の状況によっては一時的にスプレッドが広がることがあります。
特に広がりやすいのは、以下のようなタイミングです。
タイミング | 理由 |
|---|---|
早朝(5〜7時)や深夜 | 市場参加者が少なく、取引量が減るため流動性が低下する |
雇用統計・金利発表などの経済指標発表前後 | レートが急変しやすく、FX会社がリスク回避のため広げる |
週明け(月曜朝)や週末(金曜夜) | 市場が再開・終了するタイミングでレートが荒れやすい |
FX取引は、外国為替相場が急変して取引の流動性が低下した場合には、スプレッドが広くなって意図した取引ができなくなったり、建玉の決済や新たな取引が困難になるおそれがあります。
金融庁でも、スプレッドが広がるタイミングがあることを把握して取引するよう注意を呼びかけています。特に短期トレードをする人は、「広がりやすい時間帯を避ける」ことがリスク回避につながるでしょう。

スプレッドが急に上がるタイミングは、できるだけ取引しないことをおすすめするぞ!
FX会社のスプレッドは一定ではありません。提示している会社もありますが、様々な条件等で変更することもあります。中には完全固定スプレッドを採用している会社もありますが、それでもスプレッドが広がることがあります。
特に為替市場が閉じている時間帯になる日本時間の6時~8時は、流動性が低くなることからFX会社が意図的にスプレッド幅を広げることもあります。また、地政学リスクの高まりや経済状況によっても、スプレッドが広がることがあります。初心者の人は、朝のスプレッドの広がる時間はさけて取引するのがおすすめです。

FX会社のスプレッドを比較していると「銭」や「pips」など、表記の違いがあることに気づいた方もいるでしょう。
どちらもスプレッドの広さを表す単位ですが、使い方に違いがあります。

銭は、日本円を含む通貨ペアで使用されるスプレッドの単位です。一方、pipsは世界基準の単位で、通貨ペアの種類を問わず使われています。
また、1pipsあたりの金額を知りたい場合は、通貨ペアごとに計算方法が異なるので注意しましょう。
たとえば、米ドル/円やユーロ/円などの対円通貨は「1pips=0.01円(1銭)」と決められているケースが一般的ですが、ユーロ/ドルやポンド/ドルなどの円を含まない通貨ペアの場合、「1pips=0.0001(各国の通貨単位)」なので、ドルから円・ユーロから円のように円換算する必要があります。
1銭=0.01円
1pips=0.01円
└対円通貨の場合
1pips=0.0001ドル
└〇〇/ドルの場合
ここからは、スプレッドで支払う取引コストのシミュレーション結果を紹介します。
1年間の平日の日数は約250日なので、1日1回(年間250回)取引した場合、スプレッドの違いでどのくらいの取引コストが変わるのか確認してみてください。

ちなみに、1回の取引で支払うコストは「注文数量×スプレッド」で算出可能じゃ!
注文数量/スプレッド | 0.1銭 | 0.2銭 | 0.3銭 |
|---|---|---|---|
1通貨 | ・0.01円/回 ・2.5円/年 | ・0.02円/回 ・5円/年 | ・0.03円/回 ・7.5円/年 |
10通貨 | ・0.1円/回 ・25円/年 | ・0.2円/回 ・50円/年 | ・0.3円/回 ・75円/年 |
100通貨 | ・1円/回 ・250円/年 | ・2円/回 ・500円/年 | ・3円/回 ・750円/年 |
1,000通貨 | ・10円/回 ・2,500円/年 | ・20円/回 ・5,000円/年 | ・30円/回 ・7,500円/年 |
10,000通貨 | ・100円/回 ・25000円/年 | ・200円/回 ・50,000円/年 | ・300円/回 ・75,000円/年 |
1日1回のトレードを毎日続けただけでも、通貨ペアの注文数量が多いと取引コストがかかることがわかるでしょう。
1通貨〜100通貨の少額取引であればスプレッドによるコスト差はほとんどありませんが、1,000通貨〜10,000通貨の場合は数万円の違いが生まれます。以上のことから、より多くの利益を手元に残したい方は、0.1銭でもスプレッドが狭いFX口座を選ぶべきです。
当然のことですが、取引通貨量が増えれば同じスプレッドでもコストは多くなります。ただ、率で考えるとコストの割合が変わることはありません。しかし、スプレッドが広くなった場合には、コスト率も高くなってしまいます。同じ通貨ペアで取引を行うのであれば、コストが少ないスプレッドの狭いFX会社を選ぶことも大切ですね。
また、取引通貨単位が高く設定されているFX会社は、同じスプレッドでも1回の取引にかかるコストが多くなりますので、これから始めようとする人は取引通貨単位が小さいFX会社を選ぶのもいいと思います。
本記事では「スプレッドが狭いところで口座開設したい」といった方に向けて、国内主要FX会社10社のスプレッドを比較しました。
通貨ペアごとにランキング形式でスプレッドの狭いFX会社を紹介しているので、どこで口座開設しようか迷っている方はぜひ参考にしてみてください。
今回の比較結果で、米ドル/円のスプレッドがもっとも狭いFX会社は「みんなのFX」です。
多くのFX会社が0.2銭程度のスプレッドを提供する中、0.15銭で取引できる点は大きなメリットでしょう。米ドル/円以外のスプレッドも低水準なので、気になった方はぜひ口座開設してみてください。
主要FX会社 | 米ドル/円 |
|---|---|
みんなのFX | 0.15銭 |
SBI FXトレード | 0.18銭 |
LIGHT FX | 0.18銭 |
GMOクリック証券 | 0.2銭 |
外為どっとコム | 0.2銭 |
※スプレッド調査日:2025年10月22日
※スプレッドは原則固定(一部例外あり)
※調査方法:公式サイトのスプレッド一覧表を調査
年間コスト比較(10,000通貨×250回取引)
みんなのFX (0.15銭)・・・3,750円
SBI FXトレード (0.18銭)・・・4,500円
GMOクリック証券 (0.2銭)・・・5,000円
年間コスト差は最大1,250円
今回の比較結果で、ユーロ/円のスプレッドがもっとも狭いFX会社は「SBI FXトレード」と「LIGHT FX」です。
ほとんどのFX会社が0.4銭のスプレッドを設定する中、0.38銭で取引できる点は大きなメリットでしょう。米ドル/円のスプレッドもみんなのFXに続き、非常に低水準なので、気になった方はぜひ口座開設してみてください。
主要FX会社 | ユーロ/円 |
|---|---|
SBI FXトレード | 0.38銭 |
LIGHT FX | 0.38銭 |
みんなのFX | 0.4銭 |
GMOクリック証券 | 0.4銭 |
外為どっとコム | 0.4銭 |
※スプレッド調査日:2025年10月22日
※スプレッドは原則固定(一部例外あり)
※調査方法:公式サイトのスプレッド一覧表を調査
今回の比較結果で、ポンド/円のスプレッドがもっとも狭いFX会社は「松井証券FX」です。
多くのFX会社が0.9銭程度のスプレッドを提供している中、0.6銭で取引できる点は松井証券FXの強みだと言えます。主要通貨ペアのスプレッドは全体的に低水準なので、コストをおさえて取引したい方におすすめです。
主要FX会社 | ポンド/円 |
|---|---|
松井証券FX | 0.6銭 |
LINE FX | 0.7銭 |
SBI FXトレード | 0.88銭 |
LIGHT FX | 0.88銭 |
みんなのFX | 0.9銭 |
※スプレッド調査日:2025年10月22日
※スプレッドは原則固定(一部例外あり)
※調査方法:公式サイトのスプレッド一覧表を調査
今回の比較結果で、豪ドル/円のスプレッドがもっとも狭いFX会社は「松井証券FX」です。
ポンド/円だけでなく、豪ドル/円のスプレッドも第1位にランクインしています。比較対象のFX会社と比べて0.1銭程度スプレッドが狭くなっているので、豪ドル/円やポンド/円を積極的に取引したい方におすすめです。
主要FX会社 | ポンド/円 |
|---|---|
松井証券FX | 0.4銭 |
SBI FXトレード | 0.48銭 |
DMM FX | 0.5銭 |
GMOクリック証券FX | 0.5銭 |
みんなのFX | 0.5銭 |
※2025年7月※スプレッド調査日:2025年10月22日
※スプレッドは原則固定(一部例外あり)
※調査方法:公式サイトのスプレッド一覧表を調査
ここからは、スプレッドが狭いFX会社を選ぶ際に知っておくべきポイントをご紹介します。
「スプレッドが1番狭いところで口座開設したい」という方は多くいますが、それだけで選んでしまうと後悔する可能性があるので注意しましょう。

「スプレッドが狭いFX会社を選びたい」と考える初心者は多くいますが、米/ドル円やユーロ/円など、主要通貨ペアのスプレッドに大きな差はありません。SBI証券の報告書でも、下記のように記載されています。
▶︎スプレッド競争に現状に対する評価について
主要店頭FX会社のスプレッド競争は行き着くところまで来ている状況、各社広告表示スプレッドは横並びの状態で、原則固定を謳うスプレッドはインターバンクの実勢よりも狭いケースも多い、業界のスプレッド競争自体は一旦落ち着きを見せていると認識
引用元:弊社の決済リスク管理状況|株式会社SBI証券
たとえば、米ドル/円の場合、国内FX会社の多くは0.15~0.2銭程度のスプレッドで提供しています。

0.15〜0.2銭のスプレッドによる取引コストの差はごくわずかです。スプレッドの差で年間数万円単位のコスト差が出るのは、大口や高頻度な取引をする場合に限られます。
そのため、主要通貨ペアでの取引が中心の場合はスプレッドの狭さだけでなく、システムの使いやすさや取引ツールの性能、サポート体制など、総合的に口座を選ぶことが大切です。FX会社を選ぶ際は、スプレッドの狭さだけにこだわらないよう意識してみてください。

もちろん1万通貨以上を取引する人や、1日に何度も売買を繰り返す人には、0.1銭でもスプレッドが狭いFX口座がおすすめじゃ。
スプレッドの差もFX会社であったと思いますが、主要通貨ではスプレッド競争もある程度まで進み、各社横並びになっているようですね。取引ペアをアメリカドルやユーロなどの主要通貨だけで考えている人にとってスプレッドの差は参考程度であり、システムの使いやすさやチャート、分析ツールの見やすさ、情報量などでFX会社を選ぶのもいいですね。
ただ、主要通貨以外のマイナー通貨に今後挑戦してみたいという人は、主要通貨以外のスプレッドも確認しながらFX会社を選びましょう。

ポンド/円やトルコリラ/円、南アフリカランド/円などのマイナー通貨ペアの場合、主要通貨ペアとは異なりスプレッドに差があるケースが一般的です。
たとえば、同じポンド/円でも「A社は0.6銭、B社2.0銭」のように、3倍以上のスプレッド差がつく場合もあります。

マイナー通貨ペアは流動性が低く、値動きが荒いため、スプレッドを広く設定しているFX会社が多いです。
そのため、マイナー通貨ペアを取引する予定がある方は、必ず各FX会社のスプレッドを比較しましょう。少しでもスプレッドが狭い業者を選ぶことで、取引コストを大きくおさえられます。
FX会社のスプレッドを比較するときは「原則固定」なのか確認してみてください。
Q、スプレッドの原則固定とは?
A、取引時間帯や相場状況が安定しているときはスプレッドが一定であることを言い表します。
たとえば、「米ドル/円:0.2銭(原則固定)」のように掲載されているFX会社であれば、経済指標や要人発言などの発表後や流動性が低くなる時間帯を除き、基本的に0.2銭のスプレッドで取引が可能です。
一方、「変動制」のFX会社を利用した場合、ボラティリティや流動性などによって大きくスプレッドが開く可能性があります。そのため、特にスキャルピング・デイトレードで取引回数が多い方は、原則固定のFX会社を利用するとスプレッドが一定で安心できるでしょう。

確かに毎回スプレッドが変わったら、コスト管理しにくいから大変そうだね…
スプレッドが狭い業者を選んでも、約定力が低いとスリッページが発生し、結果的に取引コストが増えることがあるので注意しましょう。

Q、約定力・スリッページとは?
A、約定力とは、注文を出した価格で正確に取引が成立(約定)する力のことです。一方、スリッページは、注文価格と約定価格のズレを指します。
約定力が低いFX会社を利用すると、狙った価格で取引が成立せず価格が不利に滑る「スリッページ」が起こり、実質的な取引コストが増加します。

たとえば、米ドル/円のスプレッドが0.2銭と魅力的なFX会社を選んでも、トレードの際に0.5銭のスリッページが起これば実質0.7銭のコストがかかっているのと変わりません。
そのため、取引コストを気にする場合は、スプレッドだけでなく、約定力の高さにも注目する必要があります。
国内FX会社であれば「DMM FX」や「GMOクリック証券FX」など、約定力の高さに定評があるFX会社を選ぶことで、コストをおさえながらストレスなく取引を行えるでしょう。
海外FX口座は「ゼロスプレッド」を提供しており、スプレッドだけを見れば国内のFX会社よりも狭い場合が多いのは事実です。
Q、ゼロスプレッドとは?
A、ゼロスプレッドとは、買値と売値の価格差がない、または非常に狭い状態を指します。
そのため、スプレッドだけを比較すると、国内よりも海外FX口座のほうが狭い傾向にあります。

ただし、ゼロスプレッドを提供している海外FX口座は、取引ごとに別途手数料が発生する可能性が高いので注意しましょう。
1ロットの往復で数百円程度の手数料がかかるケースもあるため、スプレッドがゼロでも手数料込みの実質的なコストは、国内FXを利用したほうが安くなる可能性があります。
また、金融庁の公式サイトでは、登録を受けずに日本在住者を対象にFX取引を行う海外業者との契約は違法であり、出金できない・連絡が取れないなどのトラブルも多いと警告しています。
以上のことから、取引コストをおさえたい初心者〜中級者には国内FXの利用がおすすめです。
多くの場合、スプレッドによる取引コスト以外は気にせずにトレードできるので、シンプルでわかりやすいメリットを持ちます。

また、金融庁の監視下で運営しており、資金管理の安全性が高い点も国内FXの大きなメリットじゃ!
FXのスプレッドは、初心者にとって少し複雑に感じられるかもしれません。しかし、スプレッドの特性を理解して賢く活用すれば、取引コストをさらに抑え、より効率的に利益を積み重ねることができます。
ここでは、スプレッドを味方につけるためのテクニックをわかりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください!
スプレッドを活用するテクニック3選
時間帯を意識する
複数口座の使い分け
約定力との バランス
FXの相場は24時間動いていますが、時間帯によってスプレッドの広さが変わることをご存じですか?スプレッドは、市場に参加しているトレーダーの数が少ないときや、大きなイベントがあるときに広がる傾向があります。
この特性を理解し、スプレッドが広がりやすい時間帯を避けて取引することで、思わぬコスト増を防ぐことができます。
早朝(日本時間6:00~8:00)は避ける | この時間帯は、ニューヨーク市場が閉まり、東京市場が本格的に始まるまでの間です。取引量が少なくなるため、スプレッドが広がりやすくなります。特に、週末明けの早朝は注意が必要です。 |
|---|---|
経済指標発表時は要注意 | 重要な経済指標(例:米国の雇用統計、消費者物価指数など)が発表される前後は、市場が大きく変動するため、FX会社がリスク管理のためにスプレッドを広げることがあります。この時間帯は、初心者の方は特に取引を控えるのが無難です。 |
欧州・NY時間帯は狭い傾向 | 日本時間の夜から深夜にかけての欧州時間、そしてニューヨーク時間帯は、世界中のトレーダーが活発に取引するため、流動性が高まります。この時間帯は一般的にスプレッドが狭い傾向にあるため、取引に適していると言えるでしょう。 |

上級者はスプレッドの狭い時を狙って取引をするのじゃ!
「スプレッドが狭い」と一口に言っても、FX会社ごとに得意な通貨ペアは異なります。米ドル/円のスプレッドはA社が狭くても、ユーロ/円はB社の方が狭いというケースは珍しくありません。
複数の口座を開設し、取引する通貨ペアに合わせて使い分けることで、常に最も有利な条件で取引できます。
たとえば、以下のように口座を使い分けるのがおすすめです。
米ドル/円 | みんなのFX(0.15銭※) |
|---|---|
ユーロ/円 | SBI FXトレード(0.38銭※) ユーロ/円は米ドル/円に次いで人気のある通貨ペアです。SBI FXトレードはユーロ/円のスプレッドが特に狭く、コストを抑えながら取引ができます。 |
ポンド/円 | 松井証券FX(0.6銭※) |
※スプレッドの値は2025年10月22日時点のものです。変動する可能性があるため、必ず最新の情報を確認してください。
スプレッドの狭さだけでFX会社を選ぶのは危険です。なぜなら、スプレッドが狭くても、思った通りの価格で取引が成立しない「スリッページ」が頻繁に発生する場合があるからです。

約定力とは、注文した価格でどれだけ正確に取引が成立するかを示す力のこと。この約定力が低いと、たとえスプレッドが0.2銭と表示されていても、スリッページによって0.5銭も不利な価格で約定してしまうことがあります。この場合、実質的な取引コストは0.7銭となり、スプレッドが広いFX会社で取引するのと変わらなくなってしまいます。
ここで、スリッページの対策を確認しておきましょう!
スリッページ発生率をチェック | 約定スピードを確認する | 実質取引コストで比較する |
|---|---|---|
多くのFX会社が、公式サイトで約定率やスリッページ発生率を公開しています。これらの数値を参考に、約定力の高い会社を選びましょう。 | 特に短期売買をする場合、注文から約定までのスピードが重要です。スピーディーな約定は、機会損失を防ぎ、ストレスのない取引につながります。 | スプレッドの狭さと約定力の高さを総合的に判断し、実質的な取引コストが最も低い会社を選ぶことが、賢いFX会社の選び方です。 |
ココモーラの監修者である水野さんへ、FXのスプレッドやスプレッド重視でFX口座を選ぶ時の注目ポイントについて、対面インタビューで伺いました。
水野総合FP事務所代表。独立系ファイナンシャルプランナーとして個別相談、執筆・監修、講師、取材協力などマルチに活動。ライフプラン、資産運用、相続・資産承継といった幅広い相談内容に対応し、全国1000名を超える方から日本FP協会に寄せられる「くらしとお金」の電話相談を1年間担当。毎月20本以上の執筆・記事監修の他、大学や事業法人で講師を務め年80回登壇。学校法人専門学校非常勤講師として「投資の授業」を毎週行う。
【インタビュー概要】
水野 崇さん(水野総合FP事務所 代表)に「スプレッドが狭いと感じるFX口座」について伺ったところ、スプレッドはメジャー通貨であればほぼ最安値を採用しているため、そこまで気にしなくてよいという回答を得た。スプレッド重視でFX口座を選ぶ場合、経済指標の発表前後に変動がありがちなので注目するとよいそうだ。また、注文したときに画面に表示されている価格と実際に注文が確定する価格が異なるスリッページにも注意を払うべきとの助言もいただいた。

スプレッドが狭いと感じるFX口座はありますか?

スプレッドに関してはメジャー通貨はほぼほぼ最安値を採用していますから、そこまで気にしなくて良いと思います。

メジャー通貨のスプレッドはそこまで気にしなくてよいとのこと

どうしてもスプレッドを狭くしたいなら、LIGHT FXなどで提供しているLIGHTペアが一番安いのかなと思います。
逆に、新興国の通貨はそもそもスプレッドではなくスワップ狙いだと思うので、あまりスプレッドは重視しなくても良いです。

スプレッド重視でFX口座を選ぶとしたら、ほかはどういった部分に注目するのが良いでしょうか?

スプレッド重視なら、経済指標の発表前後とかですごくスプレッドを開けてくるFX口座があります。
利用しているGMOクリック証券だと、ドル/円で0.2銭が1.78銭になるくらい結構開きます。

大口注文をするならスリッページもあわせてチェックすべきと述べる水野さん

あと、個人的にはスリッページも気にして欲しいです。トレーダーは結構スリッページ、滑るかどうかを気にすると思うんです。
注文しても微妙にコンマ何秒遅れる。書き込みとかでもよく見かけます。
初心者だと100万通貨とか1,000万通貨とか、ここまで大口を入れることはないと思うんですが、大口だと弾かれるケースもあるみたいです。
20年以上トレーダーとしてFX取引を行っている監修者の水野崇さんへ、スプレッドが狭いと感じるFX口座を教えていただきました。スプレッドはメジャー通貨であれば多くが最安値を採用しており、大きくは変わらないためあまり気にしなくてよいという回答が得られました。
新興国の通貨の場合はそもそもスワップポイント狙いをする場合が多いため、同様にスプレッドを重視する必要はないそうです。
取引の際スプレッドで意識すべきポイントは、経済指標の発表前後に変動があるか、注文したときに画面に表示されている価格と実際に注文が確定する価格が異なることを指すスリッページがあるかとのことでした。
【インタビュー実施概要】
インタビュー対象:水野 崇さん(CFP®︎認定者、1級FP技能士)
インタビュー取材実施日:2025/8/7
実施場所:株式会社ゼロアクセル本社
インタビュアー:ココモーラ編集チーム(海老原・神田)
→インタビューの紹介ページはこちら
・金融庁「外国為替証拠金取引について」(最終アクセス:2025年7月28日)
・株式会社SBI証券「弊社の決済リスク管理状況」(最終アクセス:2025年7月28日)
・金融庁 店頭FX業者の決済リスクへの対応に関する有識者検討会(第2回)議事録 (最終アクセス:2025年8月9日)
・金融庁 詐欺的な投資勧誘等にご注意ください!(最終アクセス:2025年8月9日)
・金融庁 無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について(HTML版)(最終アクセス:2025年8月9日)
Q. FXのスプレッドは経費計上できる?
スプレッドは取引の価格差で発生するコストなので経費計上できません。 一方、FX会社の手数料や通信費、機材の購入費などは必要経費として計上できます。
Q. スプレッドなしのFX会社はある?
海外FX口座の中には、ゼロスプレッドを提供するところがあります。 ただし、スプレッドがゼロまたは極限まで狭める代わりに、数百円程度の取引手数料が設けられているため、取引コストはかかってしまう点に注意が必要です。
Q. FXの手数料負けとは?なぜ起こる?
FXの手数料負けとは、取引で得られる為替差益よりもスプレッドや取引手数料などのコストが上回り、結果的に損失となる状態を指します。 特にスキャルピングや短期売買で1取引に対する利益が少ない場合、手数料負けしやすくなるため注意が必要です。
Q. FXでスプレッドが急に上がる理由は何ですか?
FXでスプレッドが急に上がる主な理由は、市場の流動性低下と急な相場変動です。日本時間の早朝など参加者が少ない時間帯や、市場の切り替わり時は売買が薄くなりスプレッドが広がります。 また、経済指標の発表や要人発言、地政学リスクなどで相場が急変すると、FX会社はリスク管理のためスプレッドを一時的に拡大します。こうしたタイミングは取引コストが増えるため、エントリーを避けるのが無難でしょう。
Q. スプレッドで支払うコストはどのくらいが目安ですか?
スプレッドで支払うコストは「注文数量×スプレッド」で計算できます。たとえば米ドル/円で10,000通貨を取引し、スプレッドが0.2銭の場合は1回あたり約20円のコストです。 1日1回の取引を年間250日続けると約5,000円になり、0.3銭なら約7,500円と差が広がります。少額取引では影響は小さいですが、取引量が増えるほどコスト差も大きくなるため、できるだけスプレッドの狭い口座を選ぶのがおすすめです。
Q. FXのスプレッドは何のためにあるんですか?
FXのスプレッドは、主にFX会社が利益を得るために存在します。多くのFX会社は取引手数料を無料としており、その代わりにスプレッドを通じて運営費やシステム維持費を賄っています。また、顧客の注文を金融機関に同じ内容で発注する「カバー取引」でも、スプレッドの差額が利益となります。 つまり、スプレッドはFX会社がリスクを管理しながらサービスを提供するための重要な収益源であり、利用者にとっては実質的な取引コストだと言えるでしょう。
Q. スプレッドが狭いFX会社を選ぶ際のポイントは何ですか?
スプレッドが狭いFX会社を選ぶ際は、主要通貨ペアだけでなくマイナー通貨ペアのスプレッドも比較することが大切です。主要通貨は大差がなくても、マイナー通貨では数倍の差が出る場合があります。 また、原則固定か変動制かを確認し、安定した取引環境を選びましょう。さらに、スプレッドだけでなく約定力にも注目することで、スリッページによる余計なコストを防げます。総合的に条件を比較して選ぶのがポイントです。