更新日: 2026.04.10

そろそろ生命保険に加入しなければと思いながらも、「生命保険はいらない」といった声を聞き、自分には必要なのか?と迷っている方も多いのではないでしょうか?
独身の方や共働き世帯、貯蓄がある場合など、状況によっては必要性が低いケースもあるといわれています。一方で、万が一の際に家族の生活を支える役割を果たすのも生命保険です。
本記事では、生命保険がいらないと言われる理由や、加入が向いている人・見直しを検討したほうがよいケースを整理します。公的保障制度(遺族年金など)の内容も踏まえながら、自分にとって本当に必要かどうかを判断するためのポイントをわかりやすく解説していますので、生命保険に加入すべきか迷っている方はぜひ参考にしてみてください!
2025年に生命保険文化センターが発表した「生活保障に関する調査」によると、生命保険の加入率は全体の80.0%で、性別を問わず多くの方が万が一に備えていることがわかります。
性別 | 加入率 |
男性 | 78.2% |
女性 | 81.5% |
また、万が一死亡した際の経済的な私的準備に対する意識調査を行なった結果、54.6%の方は「充足感なし」と回答している状況です。
公的保障・企業保障に加えて、個人の貯蓄や資産を合わせても、過半数以上の方が死亡時の経済的準備が整っていないと感じています。
このような背景から、実際には生命保険に必要性を感じて加入している方が多くいることがわかるでしょう。
「生命保険はいらない」といった意見もありますが、万が一の備え方としてほとんどの方が生命保険を選択しています。
公益財団法人 生命保険文化センターの調査によると、生命保険の非加入理由は以下のとおりです。
経済的な余裕がないから | 37.6% |
生命保険の必要性をあまり感じていないので | 23.7% |
自分に合った生命保険商品がないので | 4.9% |
生命保険についてよくわからないから | 12.9% |
加入を勧められたことがないので | 7.3% |
生命保険が嫌いなので | 4.0% |
保険料が高いから | 16.7% |
配当金が少ないから | 1.6% |
健康上の理由や年齢制限のため加入できないので | 10.9% |
貯蓄などの他の金融商品のほうが有利だと思うので | 8.6% |
公的年金や公的医療保険、公的介護保険など国の社会保障があるので | 7.1% |
退職金や企業年金など会社の保障(福利厚生)があるので | 2.6% |
ここでは、生命保険がいらないと言われる代表的な理由について解説します。
近年、「公的保障で十分」「保険より投資のほうがいい」といった意見も散見されますが、本当に生命保険は不要なのか気になっている方はぜひ参考にしてみてください。
生命保険がいらないと言われる4つの理由
日本は公的医療制度が充実しているので、原則として医療費の自己負担を最大3割まで抑えられる仕組みです。
さらに、「高額療養費制度」もあり、重い病気で高額な治療費が重なっても、一定の自己負担額を超えた場合は払い戻しや免除などが適用されます。
なお、国民皆保険制度により、原則として全国民が公的医療保険に加入している状況です。
また、日本には「遺族年金」の制度もあり、配偶者が死亡または高度障がい状態になっても、遺族は公的年金を受け取れます。
このような背景から、公的医療制度の仕組みを認知している人を中心として、生命保険不要論が広がっているのが実情です。
特に独身で扶養家族がいない状況であれば、死亡保障の必要性は低い傾向にあるので、「公的医療制度で十分」だと判断しやすいでしょう。
「保険ではなく、貯蓄や資産運用で備える」といった考え方は近年広まりつつあります。
公的医療制度に加えて、一定の貯蓄があれば、万が一の支出にも対応できると考える方は多くいます。
新NISAやiDeCoなどの普及により、保険料を支払うのであれば、そのお金を積立投資に回すほうが合理的だと感じる人もいるでしょう。
とはいえ、不測の事態による支出は予想以上に負担が大きくなるケースも少なくありません。
また、資産運用には損失リスクがあるため、突発的にまとまった資金が必要になった場合、必ずしも十分な金額を確保できるとは限らないでしょう。
公益財団法人 生命保険文化センターの調査によると、生命保険の非加入理由でもっとも多いのは「経済的な余裕がないから」です。
特に30代〜40代の方からの回答率が高く、子育てや住宅ローンなどによる経済的負担が大きい状況だと予想できます。
年代 | 経済的余裕がないからと回答した人の割合 |
18〜19歳 | 10.3% |
20代 | 31.1% |
30代 | 44.3% |
40代 | 46.2% |
50代 | 40.7% |
60代 | 46.1% |
70代 | 33.3% |
もちろん、家計に余裕がないタイミングでは、保険よりも生活費の確保を優先するべきです。
とはいえ、経済的に厳しいからといって保険は不要だと考えるのは最適解ではありません。
月々数千円ほどの保険料で大きな保障を得られるケースもあるためです。
そのため、家計のバランスを見ながら最低限の保障で万が一に備えるのも選択肢の一つとして挙げられます。
万が一病気や事故で収入が途絶えた場合、生活費や住宅ローンなどの支払いが重くのしかかるリスクは避けられないので注意しましょう。
そもそも保険を利用する機会が少ないのも、生命保険が不要だといわれる理由の一つです。
生命保険は、主に病気やケガ・治療や入院をした際に保険金を受け取れる商品なので、健康的な人ほど必要性を感じにくい傾向にあります。
ただし、年齢が上がるほど病気や死亡などのリスクが上がるため注意が必要です。
また、生命保険の保険料は基本的に年齢を重ねるほど高額になるので、若いうちから検討したほうが低コストで大きな保障を得られるでしょう。
ここでは、生命保険に加入しないことで生じる代表的なデメリットを解説します。
特に家族がいる場合、将来的に「生命保険に入っておけばよかった」と後悔する可能性があるので、本当に不要なのか判断するための参考にしてください。
生命保険に入らないデメリット3つ
生命保険に入らない場合、残された遺族が経済的に困窮するリスクがあるので注意が必要です。
日本には「遺族基礎年金」の制度があるため、万が一亡くなったとしても一定の保障を得られますが、受け取れる金額は、配偶者の年齢や子どもの人数などにより変動する仕組みです。
実際に受け取れる金額や、世帯主の収入が途絶えたあとの家計収支をシミュレーションしていない場合、生活費が不足するケースは多くあります。
なお、遺族基礎年金で受け取れる金額は、以下の条件で計算されますので確認してみてください。
配偶者の年齢 | 支給額 |
68歳以上 ※昭和31年4月2日以降生まれの方 | 831,700円+子の加算額 |
67歳以下 ※昭和31年4月1日以前生まれの方 | 829,300円+子の加算額 |
上記は、子どもがいる配偶者が遺族基礎年金を受け取る場合の条件です。
子の加算額は、2人目までは1人あたり239,300円、3人目以降は1人あたり79,800円が加算されます。
具体的な支給額は以下にまとめているので、万が一の際に残された遺族がこれまでの生活水準を維持できそうか確認する際の参考にしてみてください。
子どもの人数 | 配偶者が68歳以上の場合 | 配偶者が67歳以下の場合 |
1人 | 1,071,000円 | 1,068,600円 |
2人 | 1,310,300円 | 1,307,900円 |
3人 | 1,390,100円 | 1,387,700円 |
4人 | 1,469,900円 | 1,467,500円 |
生命保険に入らない場合、病気やケガを治療するための医療費が貯蓄を圧迫するケースも少なくありません。
日本の公的医療制度では、原則として医療費の自己負担額を1〜3割程度に抑えられますが、すべての費用をカバーできるわけではないので注意しましょう。
なお、公的医療制度の対象外となる代表的な費用は以下のとおりです。
中でも特に負担のリスクが大きいのが、「差額ベッド代」や「高度先進医療費」などです。
たとえば、差額ベッド代は、1日あたり5,000円〜30,000円前後のところまで、幅広い費用が設定されていますが、入院期間が長引くほど負担額が大きくなります。
このように、基本的な医療費は公的医療制度で抑えられるものの、付随費用や例外的な治療費までは十分にカバーされない点に注意が必要です。
生命保険に加入していない場合、老後資金が不足することも懸念されるので注意が必要です。
個人年金保険や終身保険などの貯蓄型生命保険に加入していれば、老後資金を積み立てながら万が一の保証を確保できますが、公的年金のみの場合はゆとりある老後生活を送るために不十分だと考えられます。
なお、公的年金の平均月額受給額は以下のとおりです。
国民年金※1 | 69,308円/月 |
厚生年金※2 | 147,360円/月 |
国民年金・厚生年金で受け取れる金額は、月額21.6万円程度なので、一見不自由ない生活を送れるよう感じる方もいるでしょう。
しかし、令和7年度に公益財団法人 生命保険文化センターが発表しているデータによると、老後に最低限の日常生活を送るための費用は月額平均23.9万円※3必要だとされています。
さらに、ゆとりある老後生活を送るためには平均39.1万円※3必要だと考える方がもっとも多い状況です。
このように、公的年金だけでは老後資金が不十分だと感じる可能性が高い傾向にあります。
生命保険に絞る必要はありませんが、早い段階で資産形成や老後資金の準備方法を検討し、自分に合った形で備えておくことが重要です。
ここでは、生命保険に加入する代表的なメリットを3つ紹介します。
万が一の備えを得られるだけでなく、税制面や相続などで活用できる側面もあるので、契約すべきか迷っている方はぜひ参考にしてみてください。
生命保険に入るメリット3つ
生命保険は少額の保険料でも大きな保障を得られる金融商品だといえます。
2025年に生命保険文化センターが発表している「生活保障に関する調査」によると、年間払込保険料の平均額は個人の場合17.1万円です。
年間払込保険料 | 割合 |
12万円未満 | 40.7% |
12〜24万円未満 | 30.2% |
24〜36万円未満 | 12.2% |
36〜48万円未満 | 5.2% |
48〜60万円未満 | 1.8% |
60万円以上 | 2.6% |
不明 | 7.3% |
また、年間払込保険料が12万円未満の割合も40.7%いることから、月々1万円未満の保険料でも万が一に備えられることがわかるでしょう。
これは、生命保険の契約者が公平に保険料を出し合い、万が一の際に見舞われた加入者に対して、保険金や給付金を支払う「相互扶助」の仕組みにより成り立っています。
毎月数千円ほどの保険料でも、万が一の際に数百万円から数千万円規模の保障を確保できるケースもあるので、「保険料を支払う余裕がない」といった理由で加入を見送る必要はありません。
もちろん、すでに十分な貯蓄があれば問題ありませんが、将来に多少なりとも不安がある場合は、生命保険への加入を検討してみるといいでしょう。
生命保険に加入すると、「生命保険料控除」を利用できるため、所得税・住民税の負担を軽減できます。
2012年1月1日以降に締結した保険契約であれば、最大で所得税12万円、住民税7万円が控除されます。
なお、生命保険料控除を利用するためには、年末調整や確定申告で申請する必要があります。
もちろん、大幅な節税効果を得られるわけではありませんが、万が一の保障を得ながら税負担を軽減できる点は生命保険に加入する大きなメリットです。
生命保険は、相続対策としても活用できる金融商品です。
死亡保険金には「法定相続人×500万円」の非課税枠が設けられており、一定額までは相続税の課税対象になりません。
そのため、現金や預貯金をそのまま相続するよりも、税負担を抑えて資産を引き継げる可能性があります。
また、死亡保険金は受取人固有の財産として扱われるため、遺産分割協議を待たずに相続できるのも利点です。
葬儀費用や当面の生活費などをスムーズに確保しやすいことを含めて、特定の家族に対して確実に資産を残したい方から注目されています。
ここでは、生命保険の必要性が高いと考えられる人の代表的な特徴を紹介します。
以下の特徴に該当する場合、保険契約によって大きな安心を得られるケースも少なくないので、加入すべきか迷っている方はぜひ参考にしてみてください。
生命保険の必要性が高い人
配偶者や子どもなど、生活を支える家族がいる方にとって生命保険の必要性は高いと考えられます。
世帯主に万が一のことが起きた場合、突然収入が途絶えるだけでなく、生活費や教育費などの負担が遺族に重くのしかかる可能性があるためです。
特に子どもが小さい家庭では、生活費に加えて将来的な教育費の準備も欠かせないので、死亡保障を得られる生命保険の必要性は高いでしょう。
家系を支える一家の大黒柱となっている方ほど、万が一に備えて生命保険に加入しておくべきです。
現状十分な貯蓄がなく、将来に不安を抱えている方にも生命保険はおすすめできます。
病気やケガで働けなくなった場合、生活費と医療費を公的医療制度で完全にカバーするのは困難です。
その点、生命保険に入っていれば、万が一の際にまとまった保険金や給付金を受け取れるので、貯蓄が十分でない状況でも金銭的な不安を軽減できるでしょう。
また、個人年金保険をはじめとした「貯蓄型」の商品であれば、資産形成も同時に進められるため、着実に貯蓄を増やしたい場合にも有用です。
国民年金・厚生年金だけで老後資金が足りるか不安を感じている方にも、生命保険は安心材料になるでしょう。
たとえば、「個人年金保険」に加入すると、万が一に備えながら老後資金を形成できます。
主に公的年金を補完する目的で活用されている保険商品で、積み立てた保険料を一定期間、または一生涯にわたって受け取れます。
また、加入後は保険料を半強制的に積み立てられるので、貯蓄が苦手な方でも十分な老後資金を確保しやすい点も魅力です。
自営業・個人事業主として活動している方にとっても生命保険の必要性は高いでしょう。
会社員とは違い、傷病手当や福利厚生などによる保障を得られません。
そのため、病気やケガで収入が途絶えた場合、公的保障だけでは生活を維持することが困難になりやすい傾向にあります。
また、原則国民年金でしか老後資金を積み立てられないので、貯蓄型の生命保険に加入し、万が一の保障を確保しながら将来に備える必要があるでしょう。
ここでは、生命保険の必要性が低いと考えられる人の特徴を紹介します。
生命保険は、万が一の保障を得るために有効な手段ですが、すべての人にとって必要性が高いとは限らないので、それぞれ確認してみてください。
生命保険の必要性が低い人
独身で扶養家族がいない場合、生命保険の必要性は低い傾向にあります。
生命保険に加入する主な目的は、万が一の際に残された家族の生活を支えるためです。
そのため、経済的に守るべき相手がいない人にとって、高額な死亡保障を準備する必要性は低いと考えられます。
また、日本は公的医療制度が比較的充実しているので、独り身であれば医療リスクにも対応しやすいでしょう。
病気やケガにより長期間収入が途絶えることを考慮するのであれば、「就業不能保険」や「医療保険」などを検討してみてください。
すでに十分な貯蓄や金融資産を保有している人にとっても、生命保険の必要性は低いと考えられます。
万が一の事態が起きても、経済的に困る可能性がほとんどないためです。
たとえば、医療費や生活費、葬儀費用などを自己資金でまかなえるのであれば、生命保険で得られるメリットは相対的に低くなります。
生命保険は、原則貯蓄でカバーできない経済的リスクに備えるために設計されている商品なので、十分な貯蓄がある人にとって優先度は下がるでしょう。
このような場合、手元資金を使って資産運用を行ったほうが、生命保険に加入するよりも合理的だと考える方も少なくありません。
「団信(団体信用生命保険)」に加入している人も、生命保険の加入を慎重に検討する必要があります。
住宅ローンの契約にあたって、団信の加入は基本的に必須なので、ローンの契約者であれば加入している可能性が高いです。
なお、団信で得られるのは「住宅ローンを確実に完済できる」といった保障のみです。
万が一のことが起きても住居を確保できる点は強みですが、生活費や教育費などに不安がある場合は、生命保険や資産運用などで備える必要があります。
ここでは、生命保険に入らない場合の備え方について紹介します。
生命保険に入らないといった選択をした場合でも、万が一への備えが不要になるわけではないので、自分自身でリスク管理を行うように心がけましょう。
生命保険に入らない場合の備え方
もっとも基本的な備え方が現金による貯蓄です。
十分な貯蓄さえあれば、医療費や生活費など、突発的な支出にも柔軟に対応できます。
特に独身で扶養家族がいない状況であれば、生命保険よりも生活防衛資金を確保することが優先されるケースも多いでしょう。
なお、一般的には、最低でも生活費の3〜6ヶ月分の貯蓄を確保しておくことが推奨されています。
ただし、貯蓄だけでは対応しきれないケースもあるので、万が一の際に具体的にどのくらいの金額が必要になるか計算しておきましょう。
株式投資や新NISA、iDeCoなどを活用して、「資産運用で将来に備える」といった方法も一つの選択肢です。
毎月支払う保険料を投資に回し、長期的に資産を増やしていくことで、将来的な老後資金や教育資金を確保しようとしている方は多くいます。
特に長期投資であれば、比較的リスクが低い傾向にあり、若いうちからコツコツ取り組むことで時間を味方につけられるでしょう。
もちろん損失リスクは避けられないので、資産運用で万が一に備える場合は、失っても問題のない範囲で行うことが重要です。
生命保険に入らない場合は、公的保障について正しく理解しておくことが重要です。
高額療養費制度 | 高額な医療費を支払った際に、自己負担限度額を超えた分が後日払い戻される制度 |
傷病手当金 | 病気休業中に、被保険者と家族を保障するために設けられている制度 |
遺族年金 | 国民年金または厚生年金保険の被保険者が亡くなった場合に、生計を維持している遺族が受け取れる年金制度 |
障害年金 | 病気やけがによって生活や仕事などが制限された場合に、年金を受け取れる制度 |
たとえば、上記の公的制度が代表的ですが、ほかにも多くの種類があります。
生命保険に入らない方にとって、民間保険の代わりとなる重要な備えの一つなので必ず確認しましょう。
万が一の際に必要な生活資金や、公的保障でカバーできる金額などについてシミュレーションしておくことをおすすめします。
・公益財団法人 生命保険文化センター「生命保険に加入している人はどれくらい?加入金額は?」(最終アクセス:2026年2月25日)
・日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」(最終アクセス:2026年2月25日)
・日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」(最終アクセス:2026年2月25日)
・厚生労働省 年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」(最終アクセス:2026年2月25日)
・国税庁「No.1140 生命保険料控除」(最終アクセス:2026年2月25日)
・国税庁「No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金」(最終アクセス:2026年2月25日)